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昌平中学校・高等学校
埼玉県北葛飾郡にある、共学校「昌平中学校・高等学校」は、2017年に埼玉県で初めて国際バカロレア教育(MYP)の認定校となり、2020年からは高等学校でもDPの授業を取り入れ、グローバル社会で必要な力を育成する教育を提供しています。
今回は、村田校長先生と前田教頭先生にお話をお伺いしてまいりました!

グローバルプログラムの特色
昌平中学に入学した生徒はコース分けなどを行わず、国際バカロレア機構において11歳から16歳までを対象として定められている中等教育プログラム・MYP(Middle Years Programme)に全員が取り組みます。
中学1年生の校外学習ではJICAの地球ひろばを訪れ、海外協力隊のお話を聞きに行きます。その他にも外務省への訪問、TGGプログラムへの参加などを行います。
このような多彩な校外学習の体験を通してさまざまな知識を得ることにより、社会とのつながりを意識させていきます。
中学2年生は、ユニクロが主催する「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」に参加します。
ユニクロがまとめて回収した服を最終的に発展途上国へ送るという流れですが、実際に子供服を回収するにあたり、幼稚園や小学校に協力してもらうための説明などは生徒が主体となって行います。プロジェクトの中で、目的を達成するためのプロセスを学びます。
中学3年生は、「Community Project」を行います。このプロジェクトは、1年を通して適切な指導とサポートのもと、個人の興味や関心に基づき、「行動」としての奉仕活動に取り組みます。これはMYPの集大成としての探究学習となります。
プロジェクトの内容は、これまでの校外学習やSDGs教育で得た着眼点を活かして企画を立て行動していきます。
各プロジェクトにはサポートとして教員が割り振られ、2週間に1回進捗を確認し、必要があれば方向性を修正しますが、生徒主体で動き、それによって得る気づきや経験に重きをおいているため、教員が最初から「答え」へ導く指導はしていないとのことです。
生徒が経験から学んでいる一つの例を挙げます。
ダンスが得意な生徒がある地域の活性化に着目し「地域のPR動画を作成しよう」という企画に取り組みました。ある施設を撮影するために撮影当日に撮影許可を取りに行った先で「こういうのは事前にアポを取るものだ」と門前払いをされたとのことです。生徒は「施設を撮る時には事前にアポイントを取る必要があるのだ」ということを初めて学んだとのことでした。先生が「施設を撮影する時には事前にアポを取ってお願いに行く」ということをあらかじめ教えるということはあえてせず、生徒主体で行動させることにより、このような失敗から得る学びを大切にしているとのことです。 最終的に、生徒のさまざまな社会的な学びを通して、地域社会と協力してPR動画を完成させることができました。そして、生徒は当該地域の市長と完成記者会見をし、活動は大成功を収めることができたとのことです。


英語を活かせる学校行事・取り組み
同校の英語学習は「パワー・イングリッシュ・プロジェクト」(PEP)と称され、「全生徒が英語を得意教科に」を合言葉に学校独自のカリキュラムを取り入れています。
授業は課題が与えられ、課題に対し生徒が主体的に取り組みます。
生徒が事前に調べた文法を全員に説明する授業や、リサーチノートを用いてお互いに新たな文法をまとめたノートを見せ合う授業を行うなど、生徒が授業を受けるというよりは授業を行うというスタンスで取り組みます。授業の最後には教員が解説を入れるなどしてまとめます。
生徒たちは自分の言葉でまとめ、それを人に説明することで英語力を効果的に身につけていきます。
「ボキャブラリーコンテスト」は年に3回、学期ごとに全校で行われている英単語テストです。広い範囲の中から100問出されています。
テストの結果については、クラス毎の平均点や成績優秀者の貼り出しも行われているため、毎回盛り上がりをみせているとのことです。

昌平中学校・高等学校が求める生徒像とは
同校が帰国生の受け入れをする背景には、「帰国生の一人ひとりがさまざまなバックグラウンドから得た経験を活かし、学校を活性化させてほしい」という思いがあります。
同校に通う生徒は、「都心から少し離れた自然豊かな場所に位置するため、少しのんびりとした雰囲気があり、素直な生徒が多い」とのことです。
それは、同校の生徒が、社会とつながりをもつ探究プログラムに取り組む経験を通して、自分の行動に責任を持つ力、社会の意見に耳を傾け、それを受け入れる素直さが自然と身についているからではないでしょうか。

学校名:昌平中学校・高等学校
所在地:埼玉県北葛飾郡杉戸町下野851
TEL:0480-34-3381
最寄り駅:JR久喜駅